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スーツ服地の研究(長大 共同開発服地−春夏物)


 
□FINTEX of LONDON,プリント裏地
春夏物のスーツを作ろうと,2月中旬に,行きつけのテーラーである銀座山形屋に行った。
 
まず,店で取り扱っている服地関係の昨年からの変更点が,2つあるのを知った。
 
一つは,英国FINTEX of LONDON(以下,フィンテックスと表記)社の服地の取り扱いが,始まったことである。フィンテックスは「生地のロールスロイス」と形容されることがあり,超一流というか世界最高峰のスーツ服地である。
 
バンチ(服地見本)を見てみたが,落ち着いた色合いで,そこはかとなく艶が漂っている。風格と若々しさのバランスを,風格よりでうまくとっていると感じた。料金は,エルメネジルド・ゼニアやスキャバルの上級グレードと比べ,目安として1万円ほど高い(春夏物のスーツ上下の,仕立て代込みで)。逆にいえば,それくらいで世界最高峰が手に入るともいえる。
 
もう一つの変更点は,プリント裏地の追加である。スーツを着ていて,上着の裏地がちらっと見えることがある。そのときに,鮮やかなプリントの色合いが目に入るというものである。6,000円ほどのオプションで,花柄や幾何学模様などがある。もちろん,従来からの無地やストライプもあって,無料や有料のオプションで選べる。
 

 
□春夏物も長大服地
昨年の秋冬物として,「長大株式会社との共同開発、銀座山形屋でのみ取り扱いする【国産最高峰の究極ファブリック:Super140’s リンクルケア】」で3ピーススーツを仕立てた。
 
その秋冬物の服地は400g(1mあたり400g)で,厚みがあるがしなやかで,遠目にもわかる滑らかさと艶がある。さすが日本の一流紡績会社とテーラーが共同開発したのを謳っているだけあって,国産服地離れしていると感じた。
 
その春夏物があって,265g(1mあたり265g)と3シーズン着用可能なものとなっていた。これまでに自分が仕立てたスーツにはないストライプの柄があり,秋冬物で感心したので春夏物はどうかという興味もあり,今回はそれでスーツを仕立てることにした。
 

 
□この服地の説明(再掲)
長大株式会社は,紳士服地や婦人服地を製造しているメーカーで,紳士服地ではスーパーテックス(C.D.K.SUPER TEX)というブランド名を採用している。
 
長大株式会社と銀座山形屋の共同開発という触れ込みのこの服地は,Super140'sの原毛を使っているとの表記がある。一般的なウールの服地はSuper100's前後であり,細い(≒しなやかでデリケート)原毛を使っている。また,Super140'sは原毛1kgで140mの長さの糸を作れる(≒しなやかさがあり高品質)原毛が,少しでも混ざっていれば表記できる。つまり優良誤認じみた表記もできるが,長大株式会社や銀座山形屋が表記するからには,信用できる品質といえるだろう。
 
この糸を使い,ションヘル織機という昔ながらの低速織機で織っている(≒ふっくらとした風合いになる)。またリンクルケア(防シワ加工)が施されている。
 
 
□着てみて
昨年の秋冬物では380gと400gの二種類の服地のバリエーションがあったが,今回の春夏物は,265gの一種類だけのようである。
 
出来上がったスーツを着てみた。秋冬物と同じように,遠目でもわかる滑らかさと艶がある。
 
そして,多少だが通気性が良い。店員さんも,細い原糸で織っているので隙間があり,通気性が良いという説明があったのを思い出した。綾織ではなく平織りの夏物服地だとさらに通気性が高くなるが,真夏でなければ,これで十分なレベルの通気性だと感じることもあるはずである。
 

 

 
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