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スーツ服地の研究(ドーメル KIBOU311)


 
□春夏用の撥水加工の服地
春夏で雨の日には,モヘア(山羊の毛)を混紡した服地(生地)で作ったスーツを雨用に着用してきた。ウール100%の服地に比べて,モヘア混紡は弾力性があり,雨に濡れてもクリース(折り目)がとれにくいからである。
 
しかし秋冬用のスーツで,撥水加工の服地のスーツの便利さを実感してから,春夏用でも撥水加工の服地のスーツを作ることにした。ナノテクノロジーにより蒸れず,コロコロ水を弾き,しかも汚れも防ぐからである。その秋冬用のスーツは,銀座山形屋で作ったもので,ドーメルのアマデウスに,銀座山形屋が別注で撥水加工を施した服地で作ったものである。
 
今回も銀座山形屋で相談したら,KIBOU311対象の春夏用服地としてトロピカルアマデウスがあり,それに銀座山形屋の別注で撥水加工を施したものがあるということで,それで作ることにした。
 

 
□KIBOU311
311は3月11日の意味であることからわかるように,これは東北大震災の復興支援プロジェクトであり,一般社団法人LOOM NIPPONが行っている。ドーメルがこれに賛同しており,トロピカルアマデウスがその対象服地となっている。この服地の収益の一部で,LOOM NIPPONを通して,被災を受けた地域に桜の木を毎年寄贈している。ドーメルの経営者は親日家だそうで,2012年3月には宮城県の南三陸町に170本の桜を植え,2013年にも171本の桜を植えるそうである。
 
ドーメルには,独特の艶が特徴のアマデウスシリーズのラインナップとして,1mあたり310gの冬用アマデウス,260gで通年用のアマデウス365,240gでシルクを10%混紡して艶感を増した夏向きのサマーアマデウス,240gで平織りのウーステッドで夏向きのトロピカルアマデウス,がある。
 
□トロピカルウーステッド
平織りのウーステッドをトロピカルとよぶ。ガーゼは平織りの綿生地だが,ガーゼで想像がつくように交差の隙間が大きいので,スースーして通気性が良い。また引っ張り強度にすぐれ,丈夫である。その反面,綾織りに比べて服地が平べったくなり,ウールの繊維が蓄える空気層が薄いため,断熱効果は低くなる。つまり,夏向きの服地といえる。
 
ここ数年はストライプ柄の服地にしてきたので,今回はグレーの無地にすることにした。スーツのスタイルはいつも通りのロープドショルダーで,ウエストを絞ったブリティッシュスタイルでオーダーした。パンツの裾は,水がたまるといけないので,折り返しなしのシングルにした。
 
なお銀座山形屋では,ブリティッシュスタイル(店の呼称ではニュー・ブリティシュ・モデル)以外に,イタリアン・クラシック・モデル,ニュー・トラッド・モデル,ニュー・ハイ・スタンダード・モデル,がある。好みに応じて選べばよいが,特に好みが無ければ,ニュー・ハイ・スタンダード・モデルがお勧めになる。着心地が良く,相手に与えるスーツの印象は中庸なものになるからである。
 

 
できあがったスーツを試着してみた。バンチ(服地見本)を見ただけではわからなかったが,遠目に見ると,そこはかとない華やかさがある。そして,アマデウスシリーズ特有の艶やかさがある。グレーの無地でもドーメルだと,このような華やかさと艶やかさがあるのかと感心した。
 

 
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