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スーツ服地の研究(テイラー&ロッヂ サマーウーステッド)


 
テイラー&ロッヂはイギリスのミル(工場)で,ウエストヨークシャー州のハダースフィールドという地域にある。ハダースフィールドは,日本酒でいえば灘や伏見や越後などに該当する,イギリスの代表的なミルが集まった地域だそうだ。酒造会社に例えたのは理由があり,ハダースフィールドには川(ホルム川)があり,紡績で必要な洗いの工程で,硬水の水道水を使わず,軟水のホルム川の水を使っているため,ゴワつくことがなく,しなやかな風合いの服地(生地)になる。
 
イギリス製の,質実剛健な雰囲気で打ち込みがしっかりとしている服地に夢中になっていた時期は,この地域のいろいろなミルの服地で,スーツを仕立てていた。テイラー&ロッヂは,ハダースフィールドの中でも代表的なミルである。なお,このサイトでは同社を,テイラー&ロッヂと表記する。
 
テイラー&ロッヂのWebサイトでは,2011年3月現在だが,007の映画「慰めの報酬」で,ジェームズ・ボンドを演じたダニエル・クレイグの写真が使われている。「慰めの報酬」でジェームズ・ボンドが着用しているスーツは,トム・フォードのもので,それまでの5作品で起用されていたイタリアのブリオーニから変わっている。トム・フォードが仕立てたスーツで,テイラー&ロッヂの服地が使われているそうである。
 
今回は「Navy Chalk Stripe - Twill - Super 120’s Wool and 1% Cashmere」と表記されている服地を選択する。2cm幅のストライプが入った紺色の服地で,無地か1.5〜2cm幅のストライプを好む私としては,バンチ(服地見本)で見てこれに即決した。わずか1%だが,カシミアの艶が反映されている。スーパー120という繊細な生糸を使っており,1mあたり200gと真夏でも着用できる軽さである。
 

 
シルエットは,ロープドショルダー,イングリッシュドレープ,カッタウェイフロントを特徴とするネオブリティッシュを選択。最近では冬物は,スクエアショルダー,イングリッシュドレープ,ラウンドフロント(控えめなカッタウェイフロント)の,比較的落ち着いたブリティッシュモデルで作成している。しかし夏物は,先鋭的なブリティッシュモデルが気分となっている。また夏物の裏地は,半分残した半裏か,吸湿性と放湿性がある裏地を全面的に貼った総裏としている。最近は吸湿性と放湿性に加え,清涼感のあるハイテク裏地が開発されているので,それを使って総裏とした。
 
スーツの仕立ては,いつもの銀座山形屋である。ここは,私のイメージ通りにスーツを作ってくれる。当たり前と思われるかもしれないが,これまでにデパートや専門店で,出来上がったスーツを見てがっかりしたことが幾度もあった。しかし,銀座山形屋ではそのような経験をしたことがない。なかなか,ないことだと思う。
 

 
できあがったスーツを着てみた。テイラー&ロッヂの服地は,張りとコシがあって,仕立て映えするのが特徴だが,これはそれに加えて,わずかに艶がある。軽量だが丈夫そうな服地なので,着るほどに体に馴染んでくるだろう。
 

 
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