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スーツ服地の研究(ゼニア トラベラー)
エルメネジルド・ゼニア(以下,ゼニア)は,ロロ・ピアーナとともに有名なイタリアのミル(服地メーカー)である。服地(生地)の発色の美しさ,色合いや柄のセンスの良さは,他に類をみないもので,それ以外にも機能性服地の開発にも積極的に取り組んでいる。機能性として,ナノテクノロジーを利用した撥水加工や,太陽光線を反射する度合いを高めたサンリフレクティング加工が有名である。
ゼニアのラインナップの中で,トラベラーは冬物で,出張に適したシワになりにくい服地として位置づけられている。高度な防シワ・摩擦加工を施していることが特徴であるが,以前は重たく,しなやかさがゼニアにふさわしいものではなかった。しかし,改良が行われ,今のものは艶もしなやかさもゼニアのイメージにふさわしいものになっている。
今回はトラベラーで,チャコールグレイの無地を選択した。以前より冬物はスリーピース,夏物はツーパンツとして,幅広く利用できるようにしている。今回もスリーピースとした。シルエットは,ロープドショルダー,イングリッシュドレープ,カッタウェイフロントを特徴とするブリティッシュを選択。
仕立ては,銀座山形屋である。銀座山形屋を20年ほど利用している者としてアドバイスをさせていただくと,縫製クラスは,最も安いスタンダードオーダーは避けて,安い方から二番目のカスタムオーダーを指定することである。料金の違いは一万円ほどだが,仕上がりも着心地も耐久性も歴然と違う。カスタムオーダーで国産服地を使えば,だいたい5〜10万円で夏服も冬服もオーダーできる。それより高い縫製クラスにするかはお好みだが,カスタムオーダーが必要十分ラインだと思う。
できあがったスーツを着てみた。チャコールグレーの無地のスリーピースは,これまでに何着しか仕立ててきたが,これは1mあたり310/320gと,冬物にしては比較的軽いため,着心地も軽い。艶もあるが,それを実感したのは写真を見たときである。これを着て写した写真があり,それを見ると,他にはない艶が出ているのがわかる。
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