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チェスターフィールドコート PART1


 
ここ数年,冬を迎える時期になると,ダブルのチェスターフィールドコートをオーダーしている。以前は仕事で着るコートというと,綿のトレンチコートであった。若くて着ている服を酷使する時期には,それが最善の選択であった。しかし年を重ね,華奢なウールのコートも受け入れられるようになってきたためである。
 
トレンチコートにせよチェスターフィールドコートにせよ,私のコートの好みは膝下丈であることと,前の合わせがダブルであることである。前者は,膝下丈でないとフレア感(波打つようにゆらゆらする感触)が出ないためであり,後者はダブルがコートにはふさわしいと感じるためである。私はフレア感が好きであり,スーパーマンやバットマンなどの映画のヒーローは,歩くたびに膝下丈のマントがゆれる様に格好良さを感じる。女性のワンピースも,フレア感が出ていないと,もったいなく感じるほどである。
 
コートをオーダーする店だが,スーツもオーダーしている銀座山形屋を利用している。銀座山形屋では,チェスターフィールドコートのほかに,ステンカラーコートもオーダーできる。
 
もっともコートのオーダーで,試行錯誤はあった。最初に作ったチェスターフィールドコートは丈を長くしすぎて,階段を登る際に裾をすることがあった。そのため,次からは裾をすらない程度に短くした。最初のものもお直しをしたら,最初からその丈で作られたとしか思えないのものになり,今も愛用している。
 
服地として,カシミアが30%ほど入ったウールが気に入っており,それの色違いを中心に揃えている。カシミアは艶や感触に優れるが,丈夫さではウールに劣る。世の中にはカシミア100%を謳ったセーターやコートがあるが,カシミアにはグレードがあり,単純に含有率が高いほど高級ともいえない。グレードの高いカシミアが少しまざり,ウールに艶を出すくらいでちょうどいいと思う。
 

 
映画の007シリーズでは,「トゥモロー・ネバー・ダイ」や「ダイ・アナザー・デイ」で,ピアース・ブロスナン演じるジェームズ・ボンドが,キャメルカラーやネイビーのチェスターフィールドコートを着ているシーンがある。いずれも,ダブルの六つボタンのバックベルトなしで,私があつらえているものと同じスタイルである。もっとも,チェスターフィールドコートは英国で生まれたものであり,英国紳士の代表ともいえるジェームズ・ボンドのスタイルを,私が取り入れているにすぎない。
 
近年のオフィス街では,膝上丈のショートコートを羽織る人を多く見かける。暖房の効いたところが多いのでそれはそれで機能的ではあるが,冬はフレア感がもたらす優雅さや凛々しさがあるコートを,楽しむ限られた季節であるように思っている。
 

 
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