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クールビズに思う

■クールビズ(COOL BIZ)とは
京都議定書発効を受け,夏のオフィスの冷房設定温度を28度程度に保つために環境省が提唱している,夏向けビジネスウェアの愛称である。ネクタイを締めず,上着もないビジネススタイルなどがある。
 
個人的な感覚だが,ビジネスの場で上着なしでネクタイを締めないのは,正装でない気がして好きになれない。それにネクタイを締めないスタイル(センツァ・クラバッテ)は,シャツの襟の立て方にまで気を遣わないと,間が抜けた感じになって様にならない。また上着は,定期入れなど小物収納物としての役割もある。
 
ただし私の場合,盛夏時はスーツではなく,麻のジャケットと麻のネクタイで装うことが多い。またシャツは,首周りのサイズが1cm大きいのにするだけで,夏場の暑苦しさは相当変わる。多汗時の人間の体はサイズが一回り増す(簡単にいえば汗と熱で体がふやける)こともある。また,放熱性や吸湿性に優れた,シャツ用の新素材も登場している。冷房設定温度28度は,その工夫で実現したい。
 
■私ならクールビズをどう提案するか
「涼感追求=ネクタイなし・上着なし」ではなく,タイドアップ(ネクタイを締め)で上着を着るスタイルで,涼しさを提案したい。ビジネスの場でネクタイなしを定着させるのは難しいが,夏向きの上着なら失礼に当たらないという常識を定着させるのは難しくないだろう。
 
クールビズとしての特徴は,放熱性や吸湿性に優れた,着ていることを感じさせないシャツやジャケットを官民共同で開発して,それを安く提供することをポイントにしたい。また冷房設定温度とは関係ないが,籐のかばんも合わせて提案したい。
 
お坊さんや落語家は,夏場はシースルータイプの袈裟や和服を着て,服装を省略せずに涼しい出で立ちとしている。夏場のビジネスウェアも,その方向で検討するのが,結論になると思う。
 
ところで,私自身はクールビズを否定してるわけではない。それどころか,女性は半袖でひざかけをかけ,男性は長袖で上着を着ている違いからくる空調問題を解決すべきだと思っている。また快適に過ごせるということは,仕事の能率向上や安全性向上につながる。ただ,達成する目的は同じでも,現在打ち出されているものとは,手段や方向性が違うということである。
 
■靴
夏向けにメッシュの革靴もあるが,靴裏で換気する靴が登場している。歩いた時にかかる圧力で,靴の中の空気を排気したり戻るときに吸気する原理である。こういう機構を究めた靴を,クールビズ推薦商品とするのもいい。
 
■帽子
カジュアル用だが,水に浸してから,軽く絞ってかぶる帽子がある。気化熱で涼しいという原理である。これのビジネス用はできないだろうか。気化熱効果はそう長くももたないだろうが,ビルからビルへの移動であれば,1〜2時間持てば十分である。帽子は直射日光を遮る効果もあるので,その点からも着用が進むはずである。
 
■腕時計
メタルバンドの腕時計として,ステンレス,チタン,アルミニウム素材のものを持っている。夏場は断然アルミニウムである。ひんやりした感触が続き,腕にあせもができにくい。ただしアルミニウム素材のはスオッチであり,そのデザインは人により好き嫌いが分かれるだろう。国産メーカーがアルミニウム素材で,夏向けのコレクションを競い合えば,クールビズの経済効果はアパレルだけにとどまらないはずである。
 
クールビズは,単にネクタイなしや上着なしの着こなしではなく,体中から暑さを感じるところをなくすよう,トータルにプロデュースして初めて実現するものだと思っている。
 
今年の初めに,アウトラストという温度調節素材を使ったジャンパーを買って試してみた。繊維の中に吸放熱用のマイクロカプセルを組み込んで温度調節するというふれこみで,実際どの程度なのかを体験してみたかったからである。調節能力に限度はあるものの,ふれこみはまんざら嘘でもないと感じた。それだけの技術革新があれば,夏場の温度調節素材だってできるはずである。一見するとキッドモヘア並に質感が良く,着てみると軽くて熱がこもらない,というスーツができれば,それこそまさしくクールビズとよべるだろう。(2005.6執筆)
 
 

 
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