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クールビズに思う2010

 
エルメネジルド ゼニア クールエフェクト
 
 
「クールビズに思う」というタイトルで,毎年,自分としてあるべき姿だと思うクールビズ(COOLBIZ)を書いてきた。私は「クールビズ=ノーネクタイ」あるいは「クールビズ=ラフな服装」という短絡的な発想には反対で,ビジネスの場では夏でもダークスーツを着て,ネクタイを締めるべきだと思っている。ただし,冷房を効かせすぎることはなく,やせ我慢をすることもなく,仕事に集中できるように工夫すべきであるとも思っている。ベストコンディションで仕事に取り組めて,ベストな結果を出すために,クールビズの観点からはどういう方法があるかを,シーズンごとに書いてきた。
今年は,クールビズにつながる,新しいスーツの服地や裏地をとりあげる。
 
□夏向きのスーツ服地
夏場のスーツ服地では,薄手で保温性が低いことと,織り目が粗くて通気性の良いことが求められてきた。保温性が低く,通気性が良い服地を実現するための方法として,ウール(羊毛)にモヘアを混紡する方法がある。モヘアはアンゴラ山羊の毛であるが,アンゴラ兎の毛やアンゴラ山羊の毛に似た毛を含む場合がある。
 
モヘアの毛は,ウールに比べて太くて長い。そのため,モヘアとウールを交差させて織ると,糸の太さの違いから織りの目が粗くなるとともに,ざらっとしたドライな感触になる。また熱伝導率が低く,ひやっとした感触を比較的長く保つ。ただしモヘアは硬く,モヘア100%は実用性に欠けるため,一般にウールとの混紡で用いられる。
 
モヘアのほかに,通気性と吸湿性/放湿性に優れた麻(リネン)を混紡した服地がある。また糸や織り方を工夫し,織り目が粗くなるようにして通気性を高めたり,また涼しい肌触りを実現しているものもある。
 
□太陽光線を反射するスーツ服地
このような保温性の低さと通気性の高さを追求する方法とは,別のアプローチによるスーツ服地が登場した。服地の染めと仕上げの段階で特別な加工を行うことで,直射日光を吸収せずに反射する率を高めたというものである。これを開発した,エルメネジルド・ゼニア社の発表資料では,服地の表面温度を約10度下げ,これにより外気温が40度の場合でも体感温度はそれ以下に感じられるようにしたそうである。
 
何事も実際に経験してみないと,とやかくは言えない。そのため,このクールエフェクトというシリーズの服地で,スーツを作ってみた。また裏地だが,今シーズンから表面に小さな凹凸が並んでいるものが登場したので,それを指定した。これまでも清涼裏地はあったが,通気性や軽さを追求しているものであった。今回の裏地は,汗をかいても裏地が面でなく点で触れるため,べたっとしにくいのが特徴である。
 
できあがったスーツの服地タグを見てみると,画像では多少読み取りにくいが,“SUN REFRECTING”という,他の服地では見られない表記がある。これを,初夏を思わせる気候の日に着てみた。直射日光が当たると,一般のスーツ服地は発熱したように熱を持つ。しかしこれは,確かに発熱したような熱さがなく,スーツの内側の温度が上がらない感触である。
 
 

 
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