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執筆で気を付けること


 
執筆した原稿は様々な人に読まれるため,様々な角度から検討を加え,練り直す。クレーム対策もあるが,やはり自分の書いた文章を読んでもらって,満足していただきたいという思いが基本だからである。そのため正確でかつ分かり易い内容とする必要があるが,それを主に左右するのが用語表記である。
 
技術文書や試験問題の作成は,用語表記の点で楽である。例えば情報処理技術者試験の問題文での用語表記は,JISのそれに従っているためそれに従って書けばよい。例えば一般に「インターフェイス」と表記する用語はJISで「インタフェース」と表記しているため,それに従って記述すればよい。JISでの用語は,日本規格協会が発行している「JISテキスト 情報処理」という,規格書を買って調べれば済む。問題はそれにない用語で,基本的には原典を調べて確認する必要がある。それでも見つからない場合が,やっかいになる。例えば複数のディスクを信頼性向上のため並列接続する手法である「RAID」という用語の場合,3文字目のIはIndependentの略であるとする説と,Inexpensiveの略とする説がある。私としてはIndependentの方が適切と感じ,またパソコン用語解説で最も信頼のおける日経BP社の「パソコン用語辞典」でも,Independentとしていた。しかし本試験問題でInexpensiveとした記述が出たため,著書も増版時にInexpensiveに変更し,旧版をお持ちの方にサポート情報でお知らせするようにしている。ちなみにその後,「パソコン用語辞典」の新しい年度版も,Inexpensiveに変更されていた。
 
また,差別用語にも配慮する必要がある。例えばキーボードを見ずにタイプすることを表す場合,“XXXXXタッチ”はXXXXXが盲目の方への差別用語であるため,用語として“タッチタイピング”を用いるようにしている。このあたりは出版社の編集の方が専門で詳しいが,会社や人によって結構基準が異なり,他の書籍やパンフレットなどで使っている例もある。私の場合,それへの配慮は書籍の執筆で鍛えられたが,知らず知らずのうちに差別用語を使ってはいないかと,日頃から気にしている。
 
また技術革新や時代の推移による変化や改訂にも,追随していかなければならない。例えばCD-ROMの記憶容量は約650Mバイト,ZIPのそれは約100Mバイトと,数年前の解説で記述した。しかし今は,700MバイトのCD-Rメディアが登場し,250MバイトのZIPメディアが市販されている。また法律を引用して書いた部分が,その法律の改正で合わなくなることも生じまる。“解説は執筆当時のもの”という断りで逃げることもできるが,私としては,できるだけ更新していこうと決めている。
 

 
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