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第20回J検2級 コンピュータシステム 問題4


問題4 次のVoIPに関する記述を読んで設問に答えよ。
 

 
 VoIP(Voice over Internet Protocol)とは,音声をIPパケットに格納して伝送する技術であり,現在,急速に普及が進んできているIP電話の基盤技術になっている。
 IP電話は,従来の電話の仕組みを,ルータを使ったIPネットワークにより実現しようとするものである。(図1参照)
 
 VoIPゲートウェイは,電話機とIPネットワークをつなぐ装置である。加入電話網における加入者交換局の交換機に該当し,呼制御,音声符号化やIPパケット化などの機能を持つ。
 IP電話による音声伝送の仕組みは次のようになる。
 
1.  送信側のVoIPゲートウェイは,a電話機から入ってくるアナログ音声をディジタル符号化しb符号化したデータをIPパケット化して,決められた時間間隔でIPネットワークへ送り出す。
2.  IPネットワーク内のルータは,受信した音声データの入ったIPパケットのアドレス情報をもとに中継処理し,受信側のVoIPゲートウェイへパケットを送る。ルータは加入電話網における電話中継局の交換機に該当する。
3.  受信側のVoIPゲートウェイは,送信側とは逆の手順で元の音声データを復元し電話機へ流す。
 
 VoIPで問題となるのは音声品質の劣化である。これは[ (1) ]型の通信サービスを提供するIPネットワークを利用することが原因のひとつである。等間隔で送出された音声のIPパケットがIPネットワーク上を流れていくときにネットワークの状況により,遅延時間(送信から受信までの時間)が長くなったり,ゆらぎ(遅延時間のばらつき)やパケット損失の発生などにより,受信側で音声が聞きとりづらくなるからである。したがって,音声品質を悪くしないようにコントロールすること(これをQOS制御という)が必要になる。
 
 QOS(Quality Of Service)とは,ネットワークの品質を定量的に表したものであり,その良いか悪いかの評価基準として,通信の帯域速度,パケットの遅延時間,ゆらぎの量,パケット損失率などの複数の項目値を使う。また,ネットワークを利用するアプリケーションの種類により,要求するQOS値(各種項目の値)は違ってくる。たとえば,[ (2) ]を利用した蓄積系メディアである電子メールは,帯域速度,遅延時間はあまり重要ではないが,パケット損失に対して厳しい要求がある。また,ストリーミング通信や双方向リアルタイム通信などの連続系メディアは,蓄積系メディアと比較して,相対的にパケット損失に対して要求はゆるく,遅延時間やゆらぎについては要求が厳しいが,アプリケーションの種類によりその値は違ってくる。同じ双方向リアルタイム通信でも,[ (3) ]はIP電話に比べて大きな帯域速度が必要になる。
 
 IPネットワークにおけるQOS制御はルータを中心に行う。通常,ルータはバースト的に入ってくるパケットを一時的に貯めておくために,キューと呼ばれるバッファを持つ。キューの構造は[ (4) ]であり,キューに貯まったパケットは入ってきた順番に出力されていくため,キューにある間,遅延が発生してしまう。また,ルータ上で輻輳(ふくそう)になった場合には,キューでパケットがあふれ,パケット損失が発生することもある。
 このキューをルータに複数持たせ,キューごとにパケットの送信制御をすることで,ルータでQOS制御が可能になる。
 VoIPの具体的なQOS制御の例を示す。(図2)
 

 
1.  ルータは,優先度に応じたクラスごとにキューを持つ。
2.  ルータの分類機構は,入ってきたパケットを分類・識別し,該当クラスのキューに格納する。
3.  ルータのスケジューラ機構は,優先度の高いクラスのキューにあるパケットから出力していく。
 
 したがって,VoIPのパケットを優先度の高いクラスのキューに入れることで,VoIPのパケットの遅延時間とゆらぎを少なくできる。
 また,ルータは同様の目的で,入ってきたVoIP以外のパケット長の長いパケットを[ (5) ]化する場合もある。
 
 
<設問1> 記述中の[  ]に入れるべき適切な字句を解答群から選べ。
 
(1)の解答群
ア.コネクション イ.ギャランティ
ウ.ベストエフォート エ.ピアツーピア
 
(2)の解答群
ア.SMTP イ.HTTP
ウ.SNMP エ.FTP
 
(3)の解答群
ア.ファイル転送 イ.映像配信
ウ.音楽配信 エ.電子会議システム
 
(4)の解答群
ア.FIFO イ.LIFO
ウ.LRU エ.LFU
 
(5)の解答群
ア.カプセル イ.セグメント
ウ.フラグメント エ.ブロック
 
 
<設問2> VoIPゲートウェイにおける音声符号化(下線部a)を説明する以下の文章中の[  ]に入れるべき適切な字句を解答群から選べ。
 
 VoIPゲートウェイは,PCMとCELPなどの符号化方式により音声をディジタル化する。
 
 PCMは,加入電話などにも使われている音声ディジタル化方式であり,ITU-T勧告G.711として国際標準になっている。G.711では,音声波形を8kHz(ヘルツ)でサンプリングし,サンプリング周期(0.125ms)ごとに8ビットへの符号化を行う。これにより音声信号が[ (6) ]kbpsで伝送される。
 
 CELPは,PCMとは違い音声波形をまとまった単位で取り込み,人の標準的な発声電気的モデル(音声波形パターン)を登録しているコードブックと比べ,一番近いパターンの符号に置き換える方式である。この方式は,音声データを圧縮するため,PCMより低い速度で伝送できる。たとえば,CELPを使った国際標準G.729では,8kHzでサンプリングし,10ms(80周期分)ごとに80ビット符号化を行っているため,伝送速度は[ (7) ]kbpsですむ。
 
(6),(7)の解答群
ア.8 イ.16 ウ.32
エ.64 オ.128 カ.256
 
 
 
<設問3> VoIPゲートウェイにおけるIPカプセル化(下線部b)を説明する以下の文章中の[  ]に入れるべき適切な字句を解答群から選べ。
 
 音声符号化したデータは,図3に示すとおり3段階のパケット化が行われる。
 

 
1.  RTPパケット化
 RTP(Real-time Transport Protocol)は,リアルタイムに音声などを伝送するためのプロトコルである。符号化した音声データにRTPのヘッダを付けて下位層のUDPに渡す。 [ (8) ]を考慮して,RTPパケットに格納する音声データは通常20バイト程度である。ヘッダには,パケットの順番を示すシーケンス番号や時間情報であるタイムスタンプ値を格納する。受信側のVoIPゲートウェイは,この情報を使い,音声データを復元する。
2.  UDPパケット化
 RTPパケットにUDPのヘッダを付けてIPに渡す。ヘッダに,上位層のアプリケーションがVoIPを使っていることを識別するポート番号を格納する。
3.  IPパケット化
 UDPパケットにIPのヘッダを付けてIPパケットを作る。ヘッダのなかに送信側/受信側を識別するIPアドレスを格納する。また,ヘッダのなかの[ (9) ]フィールドに,QOS制御に使うための優先度を書き込むこともある。
 
(8)の解答群
ア.伝送効率    イ.パケット損失    ウ.遅延時間
 
(9)の解答群
ア.TTL(Time To Live) イ.TOS(Type Of Service)
ウ.プロトコル エ.ヘッダチェックサム
 

 
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