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第22回J検2級 コンピュータシステム 問題5


問題5 次のネットワークに関する記述を読み,設問に答えよ。
 
 インターネットやイントラネットなどのTCP/IPプロトコルで接続されたコンピュータ1台1台に割り振られた識別番号のことをIPアドレスという。現在広く普及しているIPv4方式では,8ビットずつ4つに区切られた32ビットの数値が使われており,「210.145.108.18」などのように,0から255までの10進数の数値を4つ並べて表現する。インターネット上,この数値に重複が許されないため日本ではJPNICが割当てなどの管理を行っている。
 IPアドレスは,ネットワークアドレス部とホストアドレス部に分かれて管理されている。ネットワークアドレス部はネットワークを識別するために使用し,ホストアドレス部はそのネットワーク内のホスト(コンピュータなど)を識別するために使用する。IPアドレスからネットワークアドレス部とホストアドレス部を求めるための数値をサブネットマスクという。
 また,図1のようにIPアドレスのネットワーク部とホスト部を決められたブロック単位で区切る方法でクラスがある。ネットワークアドレス部とホストアドレス部の管理は簡単であるが,アドレス空間の利用に無駄が生じることが多い。これに対し図2のようにクラスを使わないCIDR(Classless Inter-Domain Routing)は,ネットワークアドレス部とホストアドレス部を任意のブロック単位で区切ることができるため,IPアドレス空間を有効に利用することができる。クラスAを使用して500台のホストを管理することはIPアドレス空間に無駄が生じることになるが,CIDRを使用した図2の例1のようにすることでIPアドレス空間に無駄が生じない。同様にクラスCを使用して500台のホストを管理するには,2つのクラスCを用いる。2つのネットワークを接続するには,ルータ装置が1つ以上必要になり設備費用が増える。ルータ専用のIPアドレスが必要になりホストに使用できるIPアドレスが減ることになる。
 
図1 クラスを使用したIPアドレス構成図と図2CIDRを使用したIPアドレス構成図
 
<設問1> 次の記述中の[  ]に入れるべき最も適切な数値または字句を解答群から選べ。
 
 1000台(ルータの台数は含まない)のホストをサポートするには,最低[ (1) ]つのクラスCのネットワークが必要になる。
 CIDRを使用して接続可能なホスト数が80台をサポート時,適切なサブネットマスクは[ (2) ]となる。
 また,クラスBをもとにしCIDRを使用して接続可能なホスト数が1000台をサポートするには,サブネットマスクで最大[ (3) ]のネットワークに分割する。
 
(1)の解答群
 ア.3    イ.4    ウ.5    エ.6
 
(2)の解答群
ア.255.255.255.255 イ.255.255.255.232
ウ.255.255.255.128 エ.255.255.255.64
 
(3)の解答群
ア.16    イ.32    ウ.64    エ.128
 
 
<設問2> 次の記述中の[  ]に入れるべき適切な字句を解答群から選べ。
 
 J社ではクラスBを使用した図3のネットワーク構成を作成したが,次のような問題が発生した。ただし,ルータのルーティング情報は正しく設定されているものとする。
〔1〕  ホストAはホストB,D,Fとも通信できるが,ホストHとは通信ができない。
〔2〕  ホストEはホストDとは通信できるが,ホストA,Fとは通信ができない。
〔3〕  ホストGはホストFとは通信できるが,他のホストとは通信ができない。
 
図3 ネットワーク構成図
 
 〔1〕の問題を解決するためにホストHのIPアドレスを[ (4) ]に変更し,ホストAと通信ができるようになった。
 
(4)の解答群
ア.172.16.33.1 イ.172.16.47.254
ウ.172.16.47.255 エ.172.16.48.1
 
 〔2〕の問題を解決するためにホストEの[ (5) ]に変更し,ホストA,Fとも通信ができるようになった。
 
(5)の解答群
ア.IPアドレスを172.16.32.1
イ.デフォルトゲートウェイを172.16.16.2
ウ.サブネットマスクを255.255.16.0
エ.サブネットマスクを255.255.240.0
 
 〔3〕の問題を解決するためにホストGのデフォルトゲートウェイを[ (6) ]に変更し,他のホストと通信ができるようになった。
 
(6)の解答群
ア.172.16.16.1 イ.172.16.16.2
ウ.172.16.32.1 エ.172.16.32.2
 

解説
 
(1)  クラスCでは,ホスト部に8ビットを割り当てており,28=256個のIPアドレスがありますが,その先頭はネットワークを示すためのネットワークアドレス,末尾はサブネット内のIPアドレスに一斉送信するブロードキャストアドレスとしての利用が決まっていますので,256−2=254個のIPアドレスを機器に割り当てることができます。1,000台のサポートですから,1,000÷254=3...238=4つのネットワークが必要になります。
(2)  サブネットマスクでホスト部に2ビット割り当てると,22−2=2台の機器にIPアドレスを割り当てることができます。同様に3ビットでは23−2=6台,4ビットでは24−2=14台,5ビットでは25−2=30台,6ビットでは26−2=62台,7ビットでは27−2=126台で80台をサポートします。したがってサブネットマスクは下位7ビットが0,それより上の25ビットが1になりますから,
11111111 11111111 11111111 10000000
となり,それぞれを10進数に変換すると,255.255.255.128になります。
(3)  ホスト数が1000なので,ホスト部に10ビット割り当てれば210−2=1022台にIPアドレスを割り当てることができます。クラスBではホストアドレスに16ビットを割り当て,そのうち下位10ビットをホスト部に割り当てるため,残りの上位6ビットがネットワークごとに割り当てるアドレス部です。そのため26=64までのネットワークに分割できます。
(4)  ホストAのIPアドレスは172.16.1.2で2進数に変換すると
10101100.00010000.00000001.00000010 です。同様にホストHのIPアドレスは172.16.100.3で2進数に変換すると,
10101100.00010000.01100100.00000011 です。ルータを超えての通信であるため,同じサブネット内のIPアドレスにならないように,ホストHのIPアドレスを設定する必要があります。そうでないとホストAからの通信は,ホストAのあるサブネット内でホストHを探し,ルータから別のサブネットへパケットが出て行かないからです。
 
 サブネットマスクが255.255.240.0であり,これを2進数に変換すると,
11111111 11111111 11110000 00000000
となります。またルータに割り当ててある4つのIPアドレスを2進数に変換すると,
10101100.00010000.00000001.00000001
10101100.00010000.00010000.00000001
10101100.00010000.00010000.00000010
10101100.00010000.00100000.00000001
です。ホストAからホストHへの通信で,サブネットワークアドレスが異なるようにするには,第3オクテットの上位4ビットが0000もしくは0001以外である必要があります。
 
反対にホストHからの通信でも,ルータを経由して他のネットワークに出て行くようにするには,第3オクテットの上位4ビットがホストFやホストGと0000もしくは0001以外である必要があります。そして解答群の,アはホストFとIPアドレスが重なり,ウはブロードキャストアドレスになり,エはルータのホストFやホストGとサブネットワークアドレスが合いません。
(5)  サブネットマスクが他と合っていないのが原因です。そのため,他と同じに設定することで解決します。
(6)  GATEWAYのIPアドレスが,サブネットマスクに対し合っていないことが原因です。ホストFやホストHと同じく,172.16.32.1に設定することで解決できます。
 

 
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