HOME > リテラシー日記 >ICOCAカードとPitapaカード
私は関西圏に住んでおり,通勤でJRと私鉄を利用している。関西では,JR西日本がICOCA(関東でのSuiCaに相当)カードという非接触のICカードを発行しており,これの定期券版(ICOCA定期券)を利用している。そのためJRの通勤区間では,駅の自動改札機にICOCAカードを押し当てるだけで通過できる。またICOCAカードは,JRの通勤外区間ではプリペイドカードとして利用できる。例えば事前に3,000円チャージしておけば,残高が0 になるまで乗り越しなどができる。 ICOCAカードとPitapaカード
ICOCAカードとは別に,Pitapaカードも持っている。これも非接触のICカードで,スルッとKANSAI協議会(関西圏,東海四県,岡山県の鉄道・バス事業者が加盟)が発行している。Pitapaはポストペイカードで,使った運賃が後でクレジットカードの利用料金などで引き落とされる。JRの区間も,オートチャージ機能によりあらかじめ入金しておくことで,プリペイドカードとして利用できるようになっている。関東ではPitapaの相当するIC カードとしてPASMOがあるが,これはプリペイドで,オートチャージ機能が付けられるようになっている。
このICOCAカードとPitapaカードだが,前から疑問に思っていたのが,同じ定期入れに入れてJRの通勤区間の自動改札機を通過しようとした場合である。定期券で利用できる区間だが,もしPitapaカードも応答した場合,そちらで通常運賃が引き落とされてしまう。このようなケースが実際に発生しているとの報道があったので,このページを作成している。カード運営会社のサイトで調べてみると,そのような場合はどちらも使えないようになっている。ちなみに私は,ICOCAカードとPitapaカードは定期入れを分けている。
技術的にはICOCAカードもPitapaカードも,非接触型のICカードで,ソニーが開発したFeliCaという技術をベースにして開発されている。非接触型のICカードには,他にISO 14443やISO 15693という国際規格もあり,通信距離でも2mmまでの密着型,10cmまでの近接型,70cmまでの近傍型,70cm以上の遠隔型に分けられる。 FeliCaは,分厚い定期入れに入れたままでも自動改札機を通過できる,10cmまでの近接型となっている。このFeliCaをベース(プラットフォーム)として,SuicaやICOCAやPitapaや,Edyなどの電子マネーサービスが開発されている。また携帯電話でも,FeliCaチップを搭載してEdyなどFelicaベースの各種の電子マネーが利用できる,おサイフケータイ対応機種がある。
ICOCAカードとPitapaカードを同じ定期入れに入れた場合だが,FeliCaの仕様ではアンチコリジョン機能があり,乱数による時分割で複数のカードと順不同に通信を行う。しかし,当然かもしれないが,どのカードを優先して通信するかという機能はないようだ。またアンチコリジョン機能を実装するかどうかはカード会社によるそうで,Edyはアンチコリジョンに対応していないそうだ。
Pitapaカードにも定期券機能を付けることができ,2007年9月よりPitapa定期券が利用できる私鉄が増える。しかし,複数のICカードを定期入れに入れることは,コリジョンの問題からできない。PitapaカードのWebサイトでも,他のICカードとの併用はできないとQ&Aに掲載している。通勤区間が私鉄だけなら問題はないが,社会的なインフラとして,この問題を事前に想定してほしかった気がする。(2007.8)
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