| M君 |
:対応すべきリスクとして,ノートPCを社外に持ち出す際の,紛失時,盗難時の情報漏えいが挙げられています。ノートPCには,ログインパスワードを設定していますが,それだけでは不十分なのでしょうか。
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| H主任 |
:〔1〕ノートPCにログインしなくても,ハードディスクの内容を読み出す方法があるから,このままでは十分ではないね。ノートPCが紛失,盗難に遭った場合に情報が読まれてしまう可能性を低くするために,〔2〕技術的な管理策を採用すべきだろう。予算に余裕があれば,持出しが必要な情報だけを格納した,持出し専用のノートPCも導入したいね。
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| M君 |
:対応すべきリスクとして,次に,外部記憶媒体への不正書出しが挙げられています。これはなぜでしょうか。社内規程では,外部記憶媒体への書出しを禁止しているので,リスクはないと思いますが。
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| H主任 |
:実態としては,必ずしも社内規程が守られているとはいえないね。社内教育と内部監査で徹底する方法もあるが,強制的な方法も併せて考えた方がいい。強制的な方法として,外部記憶媒体を物理的に使えなくする方法もあるが,読込みができなくなると業務に支障が出る場合もあるので,ソフトウェアによって書出しだけを禁止する方法がいいだろう。
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| M君 |
:対応すべきリスクとして,さらに,全社共用サーバに対する不正ログインが挙げられています。不正ログインのリスクに対しては,パスワードによる管理策を採用しています。全社共用サーバのOSでは,最短パスワード長を7文字に設定しているのですが。
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| H主任 |
:それだけでは,不正ログインのリスクに対して不十分だ。パスワードに関してOSに設定すべき項目は,ほかにもある。リスクを低減するために設定項目を追加しよう。
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| M君 |
:対応すべきリスクとして,部門サーバに対する不正ログインも挙げられています。部門サーバに対しても,全社共用サーバと同様に考えればいいのですね。
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| H主任 |
:それだけでは十分とはいえない。全社共用サーバはサーバ室に設置してあり,物理的なアクセスは制限されているが,部門サーバは各部門の執務室に設置してあり,従業員ならだれでも物理的にアクセスできる。したがって,CDから起動されて,パスワードファイルにアクセスされてしまうリスクかあるね。
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| M君 |
:しかし,部門サーバのOSでは,パスワードはハッシュ化されています。ハッシュ値からパスワードを復元することは,困難なのではないでしょうか。
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| H主任 |
:パスワード候補のハッシュ値をあらかじめ計算し蓄えておいたテーブルを利用して,ハッシュ値からパスワードを特定する方法もある。例えば,小文字のアルファベットと数字で作成される7文字のパスワードの候補数は,[ d ]で表されるから,約780億通りになる。1秒間にパスワードを1万回試すことができるとすると,すべてのパスワードを試すには,約91日必要だ。ところが,テーブルがソート済みで2分探索法を利用できるとすると,テーブルのデータ数をNとして,最大比較回数は[ e ]+1を超えない整数値になる。1回の比較に100ミリ秒かかるとしても,最大3.7秒で探索できることになる。
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| M君 |
:なるほど。ただし,約780億通りだとすると,テーブルのサイズはかなり大きくなりそうですね。
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| H主任 |
:そのとおりだ。パスワードとハッシュ値の一組当たりのサイズを30バイトとすると,全体で約2.4T(1012)バイトのテーブルになる。しかし,レインボーテーブルというテーブルを用いた攻撃では,ハッシュ値の計算を併用することによって,テーブルのサイズを抑えつつ,数秒から数分でほとんどのパスワードを解読できたという報告がある。
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| M君 |
:それは危険ですね。では,どうしたらいいのでしょうか。
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| H主任 |
:パスワードの情報だけでなく,ソルトという情報を付加してハッシュ値を計算することによって,ハッシュ値からパスワードを特定しにくくする方法を採用したOSを導入するのがいいだろう。しかし,すぐにはOSを変更できないので,当面は,鍵のかかる専用ラックに格納して,部門サーバへの物理的なアクセスを制限することにしよう。
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