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初級シスアド 平成16年度春期試験 問題(午後問7)
問7 最適な製造数量の組合せに関する次の記述を読んで,設問1〜4に答えよ。
Nさんは,製造現場におけるTOC(制約理論)に関するセミナに参加した。制約条件の下で利益を最大にするためには,個々の機械の稼働率を向上させるのではなく,製造工程のボトルネックを見つけ,これらを管理することによってシステム全体のスループット(売上−原材料費)を増大させるという手法を学んだ。
Nさんの勤務する家具工場では,図1に示す製造工程によって製品P,Qを製造しようとしている。Nさんは,作業時間の制約の下で1か月の利益が最大になるような,製品P,Qの製造数量の組合せ(以下,最適プロダクトミックスという)を求めるよう,上司から指示を受けた。そのため,これまでの工場管理の方法に加えて,セミナで学んだ手法を適用することにした。
Nさんは,次の条件を前提に,最適プロダクトミックスを検討することにした。
〔製品P,Qの製造工程に関する条件〕
(1) 製品Pは原材料1,2を,製品Qは原材料2〜4を,それぞれ1個ずつ必要とする。 (2) 工場には,機械1〜7が1台ずつ配置され,機械1台につき作業員1人が割り当てられる。 (3) 作業員は,1日8時間,毎月20日間働き,残業はしないことにする。また,機械のセットアップ時間は考えないことにする。そのため,各機械の稼働時間は,最大9,600分/月に制約される。 (4) 原材料1〜4は,必要な在庫数が適切に確保され,各工程間に仕掛り在庫を置くことができる。 (5) 作業員1人当たりの労務費は50円/分であり,機械1台当たりの間接費は60円/分である。 (6) 固定費は5,000,000円/月である。
設問1 Nさんは,製品P,Qの製造工程において,ボトルネックとなる工程(以下,ボトルネック工程という)が存在するかどうかを調べるために,図2に示すボトルネック工程のワークシートを用いて検討を行った。次の記述中の[ ]に入れる適切な字句を,解答群の中から選べ。
〔図2の説明〕
(1) セルB2,C2には,製品P,Qの需要数を入力する。 (2) セルB5〜B11には,製品Pを1個製造するために必要な各機械の加工時間を,セルC5〜C11には,製品Qを1個製造するために必要な各機械の加工時間を入力する。例えば,セルB9に入力する数値は,[ a ]である。 (3) D列に,製品P,Qの需要数を製造するために必要な各機械の稼働時間を求める。セルD5に計算式[ b ]を入力して,セルD6〜D11に複写する。
〔図2の考察〕
製品P,Qの需要数を製造しようとすると,[ c ]の稼働時間が1か月の制約時間を超えてしまう。すなわち,[ c ]がボトルネック工程となり,製品P,Qの製造量では,需要数を満たすことができない。
aに関する解答群
ア 0 イ 10 ウ 20 エ 30 オ 40 カ 50
bに関する解答群
ア B2*B5+C2*C5 イ B2*B5+C$2*C5 ウ B2*B$5+C2*C$5 エ B$2*B5+C$2*C5 オ B2*C5+C2*B5 カ $B2*B5+$C2*C5
cに関する解答群
ア 機械1 イ 機械2 ウ 機械3 エ 機械4 オ 機械5 カ 機械6 キ 機械7
設問1の正解へ
設問2 Nさんは,需要数を製造できないことによる機会損失を考慮せずに,1か月の利益を最大にするために,製品P,Qのどちらを優先して製造すべきかを検討することにした。次の記述中の[ ]に入れる適切な字句を,解答群の中から選べ。
Nさんは,従来の工場管理指標であった貢献利益のほかに,優先すべき製品を決めるための基準として,スループットも加えることにした。
(貢献利益及びスループットの定義)
貢献利益=売上−原材料費−労務費−間接費
スループット=売上−原材料費
さらに,それぞれの工場管理指標を製品1個当たりで評価するか,ボトルネック工程の単位時間当たりで評価するかという観点を加え,次の基準1〜4を基に比較を行うことにした。
(優先すべき製品を決めるための基準)
基準1:製品1個当たりの貢献利益が高い製品を優先する。
基準2:製品1個当たりのスループットが高い製品を優先する。
基準3:ボトルネック工程における単位時間当たりの貢献利益が高い製品を優先する。
基準4:ボトルネック工程における単位時間当たりのスループットが高い製品を優先する。
次に,Nさんは,製品P,Qのどちらを優先して製造すべきかを明らかにするために,図3に示すワークシートを作成し,各基準に対応する値を試算した。
〔図3の説明〕
(1) セルB2,B3には,機械加工時間1分当たりの労務費及び間接費を入力する。セルB6,C6には,製品1個当たりの販売価格を入力する。 (2) セルB7,C7には,製品1個当たりの原材料費,すなわち[ d ]と50,000を入力し,セルB8,C8には,製品1個を製造するために必要な機械加工時間,すなわち135と[ e ]を入力する。 (3) セルB9〜C10に,製品1個当たりの労務費及び間接費を算出する計算式を入力する。 (4) セルB11,C11には,製品1個当たりの貢献利益(基準1)を,セルB12,C12には,製品1個当たりのスループット(基準2)を算出する計算式を入力する。 (5) セルB15,C15には,ボトルネック工程における製品1個当たりの機械加工時間を入力する。 (6) セルB16に計算式[ f ]を入力し,これをセルB16〜C17に複写しボトルネック工程における単位時間当たりの貢献利益(基準3)及びスループット(基準4)を算出する。
〔図3の考察〕
優先すべき製品は,[ g ]を採用すると製品Pになり,ほかの基準を採用すると製品Qになる。
dに関する解答群
ア 20,000 イ 30,000 ウ 40,000 エ 50,000
eに関する解答群
ア 120 イ 125 ウ 130 エ 135
fに関する解答群
ア B11*B15 イ B11/B15 ウ B11/B$15 エ B11/$B15 オ B11/$B$15 カ $B11/$B$15
gに関する解答群
ア 基準1 イ 基準2 ウ 基準3 エ 基準4 オ 基準1〜3 カ 基準2〜4
設問2の正解へ
設問3 Nさんは,製品P,Qのそれぞれを優先した場合の最適プロダクトミックスを求めるために,図4に示すワークシートを作成した。次の記述中の[ ]に入れる適切な字句を,解答群の中から選べ。
図4 最適プロダクトミックスを求めるためのワークシート A B C D E 1 優先順位 1 2 1 2 2 製品 製品Q 製品P 製品P 製品Q 3 需要数(個) 180 230 230 180 4 ボトルネック工程における製品1個当たりの機械加工時間(分) 40 20 20 40 5 ボトルネック工程で需要数を製造するために必要な機械加工時間(分) 7,200 4,600 4,600 7,200 6 ボトルネック工程で利用可能な機械加工時間(分) 9,600 2,400 9,600 5,000 7 最適製造数量(個) 180 120 230 125
〔図4の説明〕
(1) セルB1〜E1に製品の優先順位,セルB2〜E2に製品名,セルB3〜E3に製品ごとの需要数及びセルB4〜E4にボトルネック工程における製品1個当たりの機械加工時間を入力する。 (2) セルB5〜E5にボトルネック工程で需要数を製造するために必要な機械加工時間を求める計算式を入力する。 (3) ボトルネック工程で利用可能な機械加工時問は,優先順位が1の場合には9,600分,そうでない場合は優先順位1の製品を需要数だけ製造した残りの時間となる。よって,セルB6,D6には値9,600を入力し,セルC6に計算式[ h ]を入力して,セルE6に複写する。 (4) ボトルネック工程における機械加工時間は,上記(2),(3)でそれぞれ求めた時間の[ i ]となるので,製品ごとの最適製造数量を求めるために,セルB7に計算式[ j ]を入力して,セルC7〜E7に複写する。
〔図4の考察〕
最適プロダクトミックスの結果として,製品Qを優先して製造した場合には,製品Pを120個,製品Qを180個製造することになる。また,製品Pを優先させた場合には,製品Pを230個,製品Qを125個製造することになる。
hに関する解答群
ア B4−B5 イ B5−B4 ウ B5−B6 エ B6−B5 オ B6−$B$5 カ C6−C5 キ $B$6−$B$5
iに関する解答群
ア 大きい方の値 イ 小さい方の値 ウ 平均値
jに関する解答群
ア 最小(B5〜B6)/B4 イ 最小(B5〜C5)/B4 ウ 最大(B5〜B6)/B4 エ 最大(B5〜C5)/B4 オ 平均(B5〜C5)/B4 カ 平均(B5〜C5)/$B4
設問3の正解へ
設問4 Nさんは,製品P,Qのそれぞれを優先した場合の最適プロダクトミックスごとに得られる1か月当たりの利益を比較するために,表1から1か月当たりの業務費用を求めた後,表2を作成した。次の記述中の[ ]に入れる適切な字句を,解答群の中から選べ。
(業務費用及び利益の定義)
業務費用=労務費+間接費+固定費
利益=スループット−業務費用
表1業務費用の算出表 費目 月次費用
(千円)算出式 労務費 3,360 50(円/人・分)×60(分/時間)×8(時間/日)×20(日/月)×7(人)÷1000 間接費 4,032 60(円/台・分)×60(分/時間)×8(時間/日)×20(日/月)×7(台)÷1000 固定費 5,000 計
(業務費用)12,392
注 網掛け部分は,表示していない。
表2 優先順位による最適プロダクトミックスごとの利益の比較表 製品Qを優先して製造した場合 製品Pを優先して製造した場合 製品 製品P 製品Q 合計 製品P 製品Q 合計 販売単価(千円) 80 120 − 80 120 − 最適製造数量(個) 120 180 300 230 125 355 売上高(千円) 9,600 21,600 31,200 18,400 15,000 33,400 原材料単価(千円) 原材料費(千円) 4,800 9,000 13,800 9,200 62,500 15,450 スループット(千円) 業務費用(千円) 12,392 12,392 利益(千円) 5,008 [ k ]
〔表1,2の考察〕
製品Qを優先して製造した場合の1か月当たりの利益は5,008千円となり,製品Pを優先して製造した場合の1か月当たりの利益は[ k ]千円となるので,[ l ]を優先させた方が,利益が大きくなる。したがって,優先基準として,[ m ]を採用することにした。
kに関する解答群
ア 3,008 イ 3,558 ウ 4,008 エ 4,558 オ 5,008 カ 5,558 キ 6,008 ク 6,558
lに関する解答群
ア 製品P イ 製品Q
mに関する解答群
ア 製品1個当たりの貢献利益 イ 製品1個当たりのスループット ウ ボトルネック工程における単位時間当たりの貢献利益 エ ボトルネック工程における単位時間当たりのスループット
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