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スーツ服地の研究(国産4PLY 48番手)


 
□今年は4PLYの服地
スーツの服地(生地)に関して,ここ数年考えていることがある。それは,4PLYの服地でスーツを作りたいというものである。
 
スーツの服地を構成する糸は,原糸を撚って糸にしている。1本の原糸を撚って糸にしたものを,単糸(1PLY)という。これに対し,2本の原糸を撚り合わせて1本の糸にしたものを,双糸(2PLY)という。イタリアの服地ではしなやかさを重視して,2PLYと1PLYの糸を交差させて織ることもある。
 
これに対して3本の原糸を撚り合わせた3PLY,4本の原糸を撚り合わせた4PLYの糸も,少ないながらある。撚り合わせる原糸の数が多いほど糸が太くなるため,ざっくりとした質感になり,丈夫なものになる。
 
 

 
□糸の撚り
撚る度合いを強くした糸を,強撚糸という。強撚糸は通常の撚りの強さの糸に比べ,しなやかさは減るが,表面がパンと張った傾向があり,さらっとした感触でしわになりにくい。
 
原糸を撚る方向により,Z撚りとS撚りという2種類の撚り方がある。Z撚り(左撚り)は反時計回りに,S撚り(右撚り)は時計回りに撚る。双糸で1本は右方向に撚り,もう1本は左方向に撚った糸もあるが,この撚り方をSZ撚りという。
 
SZ撚りはしわになりにくい,しわがついても戻りやすい特徴があるため,出張の多い人向けに「〜トラベラー」という商品名がつけられることもある。
 
 
□48番手の1970年代風(ヴィンテージ風)服地
夏も終わりに近づき,秋冬物のスーツを作ろうと,銀座山形屋に行った。4PLYの服地の提案を依頼したところ,同社オリジナルの1970年代風服地を提案された。
 
1mあたり320gの冬向きの重さ(厚さ)で,糸の番手は48番手である。番手は糸の太さを表し,数字が大きいほど細くなる。現在の服地だと,60番手以上の細くしなやかな糸で織った服地が主流となっている。このサイトで取り上げてきた私のスーツの服地で最も太い糸は,52番手である。48番手は,私としても初めての経験になるはずである。
 
提案された服地の中で,グレーに太い赤色のストライプが入っている服地が気に入り,これに合うと思われるピンクのヘリンボーンのシャツとセットで注文した。なお,銀座山形屋の独自企画の服地なので,タグはない。
 
 

 
□着てみて
出来上がったスーツを着てみた。まさに昔の,がっしりした厚手の服地である。そして当然だが,52番手よりも服地の織り目がはっきり見える。これはヘビーユースでも,びくともしないだろう。予想通りの質感であることもあり,以前から4PLYの服地が気になっていた者として,ちょっとした願望が叶えられた気持ちになった。
 

 
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